2009年7月12日日曜日

「24」シーズン7、“いつもどおり”の安定感


相変わらず、「24」はファンの期待を裏切らない。

舞台がCTU(テロ対策ユニット)であるという属性上、
テロリストとの闘いがドラマの骨子になるのだが、
シーズンを追うごとに「同じことの繰り返し」
になってしまった感は否めない。

それでもなお、ノンストップで見続けてしまう
展開のスピード感や緊張感、独特の「アオり方」は
このドラマならではであり、そして何よりも
主人公ジャック・バウワーのカリスマ性は
視聴者をいまだ引き付けるパワーを持っている。
「いつも同じ」であったとしても、ファンは
強引に突っ走るジャックの姿が見たいのだ。

そんな中でのシーズン7だが、
今回はシーズン5で死んだはずのトニー・アルメイダが
復活し、物語の重要なカギを握ることになる。
二転三転するトニーの動きに注目しつつ、
今回はある意味ジャック以上の活躍を見せている。
(現場でのフィジカルな動き、という意味合いで)
まさにトニーの復活がシーズン7を支えていると
いっても過言ではないだろう。
ジャックもトニーも、CTUの任務を通して
過去に大きな心の傷を負っているが、
トニーの“精神力の弱さ”が両者の現在を
異なったものにしている、といった具合だ。

既にCTUは解体しているため、テロ事件捜査の
指揮を執るのはFBI。しかしながらその
FBIがあまりに頼りなく、ジャックやトニー、
そのほか元CTUメンバーの活躍が目ざましい。
とはいえCTUという確固たるベースとサポートを
失った彼らの動きは、見ていて少々物足りない気もする。
(シーズン8ではCTUが復活するとのこと)

ホワイトハウスの危機、組織内部の裏切り、親子の絆。
これらは「24」シリーズおなじみのキーワードであるが、
このあたりは“焼き直し”感が強く出ており食傷気味。
とくに今回は女性大統領テイラーとその娘をとりまく
“親子ストーリー”が弱く、そもそもテイラー大統領に
あまり魅力を感じられない。
また“ジャックの命”に関しても、以前に見たような
展開で視聴者の危機感をあおろうとする。
(今回はかなり引っ張る。それでも
やはり「大丈夫だろう」感は拭えない)

ちょっと残念な部分ばかり書いてしまったが、
「24」シーズン7は“いつも通り”に面白い。
“国家VSテロリスト”というひとつのテーマで
7シーズンも視聴者をキープできるだけの力量と
技術、そして制作側の情熱が伝わってくる。
かつてのような熱狂は持てないにしても、
他の人気ドラマとは一線を画す存在ではある。

●「24」シーズン7
Vol.1〜3:レンタル中
DVDコレクターズ・ボックス:12月18日(金)発売

1 件のコメント:

  1. やっぱり「24」は特別だよね。
    もう“お約束”の世界なんだけど、やっぱり見ちゃうからね。
    まだ4話ですが、楽しみにです。

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