2009年8月17日月曜日

独身アラサー女子必見!「ブロークン・イングリッシュ」


なんとなく仕事を続けて、気がつけば彼氏がいたのは
はるか昔。周囲からも“結婚”の二文字のプレッシャー
を掛けられ、“ほんとうの愛”に出会いたいのに出会えない。

心のどこかがいつも空虚で、恋に失敗しがちなヒロイン・ノラは
NYのホテルで働く独身アラサー。そんな彼女が友人の
パーティで情熱的なフランス人男性のジュリアンと出会う。
オープンで強引なアプローチを掛けるジュリアンに、はじめは
疑心暗鬼だったノラも次第に心を開き、ふたりは恋に落ちていく。

女性監督ゾエ・カサベテス(名匠ジョン・カサベテスの娘)が
同世代(ゾエ自身はアラフォー)の女性らしいリアルな目線で
きめ細やかにつづった、シンプルで上質なラブ・ストーリー。
昨年末の公開作ですが、見逃していたのでDVDで鑑賞しました。

シングルアラサー女子の悩みって全世界共通なんですね。
同じジャンルに属するわたし自身もヒロインに激しく共感
してしまいました。

「この男はほんとうに自分を好きなのか」
「自分はこの男と幸せになれるのか」

アラサー女子にありがちな“過剰な不安と慎重さ”が
ヒロインの脳内をぐるぐる取り巻き、ちぐはぐな行動に
導いてしまう。わかりすぎるほど、よくわかります。

ちなみにこの作品はいわゆる“ラブコメ”
ではありません。恋に不器用なひとりのアラサー女子が
ひとりの男性に出会って自分自身の扉を開いていく物語です。

派手な舞台もなし、過剰なロマンティック演出もなし。
だけどものすごく丁寧です。せつない女心が詰まっています。

劇中、フランスで出会った初老の男性がノラに語るひとこと。

「人生で魔法はあまり起きない。
大切なのは自分の中に愛と幸せを見つけること」

周囲の声や、無意識に刷り込まれている“こうあるべき”
に縛られず、自分自身の心の声に耳をすますこと。
それが幸せへの第一歩なのだと。

迷い多きアラサー女子にとって、それは簡単なことでは
ないのですが。。

ジョン・カサベテスはわたしの好きな監督トップ3に
入る人ですが、娘のゾエもすごく好感が持てました。
母ジーナ・ローランズ(大好きな女優)も
ヒロイン・ノラの母親役で出演しています。

ノラのファッションもこなれたお洒落系でかわいいし、
相手役のジュリアンを演じたフランス人俳優、メルビル・プポーも
なかなか。(代表作はフランソワ・オゾン監督の「ぼくを葬る」など)
ちょっと“フランス人男性”が記号的に描かれている気もしますが
やっぱりああいうストレートな愛情表現にはぐっときます。
ぐぐっときます。

現在公開中のラブコメ「そんな彼なら捨てちゃえば?」が
ひどかったので、あれに肩すかしをくらった人は
DVDでこちらをおすすめします。

※ちなみにゾエ・カサベテスは同じく女性監督で
“ガーリー”の代名詞、ソフィア・コッポラと仲がいいようですが、
わたしはソフィアの映画を一度もいいと思ったことがありません。
あの人はミュージックビデオや広告といったビジュアル方面の
才能に秀でた人で、映画を撮る人ではないと思っています。
わたしは断然、ゾエ派ですね。

「ブロークン・イングリッシュ」
DVDレンタル中

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